その日の夜
僕の意識は少しばかり曖昧だった。
心地よい疲労と時差ボケ
そして昼に食べたヘビーなオーストリア料理の余韻。
何かをしっかり食べるというよりは
胃に優しい何かを軽く流し込みたいという気分だった。
ホテルを出て
僕は馴染みのイタリアンレストラン「L'Osteria(ロステリア)」へと向かう。

道すがらカラヤンの生家の前を通る。
バルコニーで指揮棒を振る彼のブロンズ像に
僕は軽く黙礼を済ませる。
ザルツブルクという街は
どこを歩いても偉大な音楽家たちの影が寄り添っている。

「L'Osteria」
レストランに到着すると
そこにはいつものように若者たちの放つ明るく無防備なエネルギーが満ちていた。
静かな古都の夜において
ここだけが別の時間軸で動いているかのような活気だ。

まずは Lugana(ルガーナ)で乾杯!
冷えた白ワインが
少し疲れた脳に心地よい刺激を与えてくれる。
写真を撮ろうとしたら
ピントが隣に座っていた素敵な尾根遺産に合ってしまった(笑)
まあ
それも旅の些細な
そして悪くないハプニングの一つだ。

前菜が運ばれてくる。

「Bruschetta(ブルスケッタ)」
完熟したトマトの酸味がパンの香ばしさと完璧なマリアージュを見せている。

そして 「Vitello Tonnato(ヴィテッロ・トンナート)」
薄切りの仔牛肉にツナのソース
この軽やかさが
今の僕にはちょうどいい。

「Pasta Genovese(パスタ・ジェノベーゼ)」
バジルの香りが鼻腔を抜け
松の実の食感がアクセントを加える。
シンプルだがこれこそがイタリアンの真髄だ。

そしてメインは大きな Pizza(ピッツァ)
欲張りな僕たちはハーフ&ハーフを注文した。
片方は塩気の効いた 「Prosciutto(プロシュート)」
もう片方は
香り高いマッシュルームが敷き詰められた 「Funghi(フンギ)」
クリスピーな生地が白ワインをさらに進ませる。
嘉味!
「L'Osteria」の料理はいつだって期待を裏切らない。
特別な贅沢ではないけれどそこには確かな充足がある。
店を出て夜の空気の中をホテルへと歩く。
明日の仕事に備えて
今夜は泥のように眠ることにしよう。
ザルツブルクの夜は
どこまでも深く静かだ。
おやすみなさい。
☆☆(☆☆☆また行きたい ☆☆美味しかった ☆まずまず ×価値なし)
Dreifaltigkeitsgasse 10, 5020 Salzburg, オーストリア ℡+4366287065810
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